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浩初上人の仙人山に登らんと欲して貽らるるに酬ゆ

2019.07.12

珠樹玲瓏隔翠微

病来方外事多違

仙山不属分符客

一任凌空錫杖飛

 

七七三年生まれの柳宗元(りゅうそうげん)の「浩初上人(こうしょしょうにん)の仙人山に登らんと欲して貽(おく)らるるに酬(むく)ゆ」。浩初は名。上人は僧侶。仙人山は山の名。

 

■読みと解釈

珠樹玲瓏隔翠微

珠樹(しゅじゅ)は玲瓏(れいろう)として翠微(すいび)を隔ち

[真珠の仙樹が美しく輝き翠色の靄が立ち入りを隔て遮っており]

 

病来方外事多違

病来(びょうらい)にして方外(ほうがい)の事は多く違(たが)う

[病気になった私は俗外の事は思うようにならず万事食い違うことが多い]

 

仙山不属分符客

仙山は符(ふ)を分(わか)つ客に属(ぞく)せざれば

[仙人山は天子と割り符を分け異郷の地にいる私とは所属が異なるので]

 

一任凌空錫杖飛

空を凌(しの)ぎ錫杖(しゃくじょう)の飛ぶに一任す

[上人様が錫の杖を飛ばして天空を乗り超えられることをお任せするだけ]

 

 

■注目点

僧侶の誘いを断る理由に注目。

前の二句は浩初上人が仙人山に一緒に登ろうと誘うが、柳宗元は断る。断る理由は二つ。一つは仙人山は俗外の存在だが、自分は俗内の存在。一つは自分は病気。住む世界が違う。

後の二句は自分は俸禄をもらう人間だが、仙人山に住む人は俸禄をもらわぬ人間。

柳宗元の仏教思想が伺える。

 

《PN・帰鳥》