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泗州の東城にて晩に望む

2011.07.01

渺渺孤城白水環
舳艫人語夕霏間
林梢一抹青如画
応是淮流転処山

 

一〇四九年生まれの秦観の「泗州(ししゅう)の東城にて晩(くれ)に望む」。泗州は揚子江下流域の街。

 

■読みと解釈
渺渺孤城白水環
渺渺(びょうびょう)たる孤城を白水環(めぐ)り
[遥かかなた寂しくたたずむこの街を光り輝く川がぐるりと流れ]

 

舳艫人語夕霏間
舳艫(じくろ)にて人は語る夕霏(せきひ)の間
[舟では人々が夕しぐれのなか語りあっている]

 

林梢一抹青如画
林梢(りんしょう)に一抹(いちまつ)青きこと画(えが)けるが如(ごと)し
[林の梢には一筆青く絵を画いたようだ]

 

応是淮流転処山
応(まさ)に是(こ)れ淮流(わいりゅう)の転ずる処(ところ)の山ならん
[おそらくそれは淮水の流れが向きを変えた辺りの山なのだろう]

 

 

■注目点
晩に望んだもの。それは何かに注目。
作者の居場所は泗州の東の街。時は晩です。
東城は孤城。孤城だから近くには街はない。ぽつんと離れた街です。ぐるりを川が流れており、川には舟がある。
舟では誰か語りあっている。姿は見えぬが、声だけ聞こえる。時は晩です。
街の近くには林がある。見ると、梢の向こうに一筆画きのような青い色。時は晩です。
思うにそれは、向こうに見える淮水が屈曲する辺りの山の色らしい。時は晩です。
晩。有効な設定です。

 

《PN・帰鳥》