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江雪

2011.02.18

千山鳥飛絶
万径人蹤滅
孤舟蓑笠翁
独釣寒江雪

 

作者は七七三年生まれの柳宗元(りゅうそうげん)。詩の題は、揚子江に雪が降るという「江雪(こうせつ)」。

 

■読みと解釈
千山鳥飛絶
千山 鳥飛ぶこと絶(た)え
[あの山もこの山も鳥の飛ぶ姿はなく]

 

万径人蹤滅
万径(ばんけい)人蹤(じんしょう)滅す
[あの道もこの道も人の足跡はない]

 

孤舟蓑笠翁
孤舟 蓑笠(さりゅう)の翁(おう)
[一そうの小舟には蓑と笠をつけた老人がおり]

 

独釣寒江雪
独り釣る寒江(かんこう)の雪
[寒々と雪の降る揚子江に独り釣り糸を垂れている]

 

 

■注目点
千山と万径の千と万。孤舟と独釣の孤と独。絶と滅。三つの対応に注目。
山は千もあり、径は万もある。千と万は極めて多い意味。絶と滅は絶滅。何もない意味。すべての山には鳥一羽おらず、すべての径(小道)には人一人いない。理由は雪のせい。ひどい雪は鳥も人も寄せつけないのです。
しかし、雪の降る寒々とした揚子江に舟を浮かべ、釣り糸を垂れている老人がいます。
よく見ると、舟を浮かべているのはその老人だけ。孤舟、独釣。孤独です。老人は孤独。釣り糸を垂れるのは、隠者の姿。
この詩の三つの対応に注目し、あれこれ想像してみてください。想像が広がります。

 

《PN・帰鳥》