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江村の晩の眺め

2012.06.08

江頭落日照平沙
潮退漁船擱岸斜
白鳥一双臨水立
見人驚起入蘆花

 

一一六七年生まれの戴復古(たいふくこ)の「江村の晩の眺め」。江村は川辺の村。

 

■読みと解釈
江頭落日照平沙
江頭(こうとう)の落日は平沙(へいさ)を照らし
[川辺の西に沈む夕日は平らな砂を照らし]

 

潮退漁船擱岸斜
潮(しお)退けば漁船は岸に擱(お)かれ斜めなり
[潮が引くと漁船は岸に繋がれ斜めになっている]

 

白鳥一双臨水立
白鳥は一双(いっそう)にして水に臨んで立ち
[白鳥がつがいで水辺に立っており]

 

見人驚起入蘆花
人を見れば驚き起(た)ちて蘆(あし)の花に入る
[人を見るとびっくりして蘆の花の中へ入っていった]

 

 

■注目点
川辺の村の晩、何を眺めたかに注目。
眺めた物。落日、漁船、白鳥、蘆花。この四つです。
四つの眺めは、落日は大きい。次第に小さく、蘆花は最も小さい。視点の移動に注目。
落日。夕日が川辺の村の砂を照らしている。
漁船。潮が引いたので、船は斜めに岸に繋がれている。この村は漁師の村でしょうか。
白鳥。白鷺でしょう。雄と雌。仲よく並んで、水辺に立っている。
蘆花。人影に驚いた白鳥は、川辺に咲く蘆の花に逃げ込む。
四つの川辺の晩の眺め。世俗にはない眺めです。心の休まる眺めです。
江、沙、潮、漁、水。みずの字が有効です。

 

《PN・帰鳥》