山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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水調の歌

2019.05.31

平沙落日大荒西

隴上明星高復低

孤山幾処看烽火

戦士連営候鼓鼙

 

生没年不明だが、唐の張子容(ちんしよう)の「水調(すいちょう)の歌」。水調は曲調の一種で、内容は戦争。

 

■読みと解釈

平沙落日大荒西

平沙(へいさ)の落日は大荒(たいこう)の西にして

[最果ての西方の平らな砂漠地帯に夕日が沈み]

 

隴上明星高復低

隴上(ろうじょう)の明星は高く復た低し

[隴山(ろうざん)の明けの明星が高く低くきらめいている]

 

孤山幾処看烽火

孤山(こざん)の幾処(いくしょ)にか烽火(ほうか)を看る

[隴山の何カ所かに上がる烽火をじっと見つめる]

 

戦士連営候鼓鼙

戦士は営を連ねて鼓鼙(こへい)を候(うかが)う

[兵士たちは出陣の太鼓の合図を待ち構えている]

 

 

■注目点

出陣を待つ兵士の心境に注目。

兵士の行き先は日や月の没する大荒。辺境の地。そこは砂漠地帯。砂漠地帯が戦場。

そこには2千メートル級の隴山があり、明星が高く低くきらめいている。

孤立した隴山のあちこちには、外敵の襲来を告げる狼煙が上がる。

兵士たちはいくつもの陣営で、攻め太鼓の合図を待っている。

陣営で出陣の合図を待つ兵士。どんな心境で合図を待っているのか。攻め太鼓の一音で、いざ出陣。緊張感が走る。覚悟の一瞬。勝利と戦死の覚悟。複雑極まりない覚悟。

出陣を待つ兵士の心境。体験せぬと判らぬ心境! 想像では判らぬ心境!

 

《PN・帰鳥》