山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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横塘

2012.05.04

南浦春来緑一川
石橋朱塔両依然
年年送客横塘路
細雨垂楊繋画船

 

一一二六年生まれの范成大(はんせいだい)の「横塘(おうとう)」。横塘は揚子江下流域の堤(つつみ)の名。

 

■読みと解釈
南浦春来緑一川
南の浦(うら)には春来たり緑は一川(いっせん)
[南側の水辺には春が来て緑は川いっぱい]

 

石橋朱塔両依然
石橋と朱塔(しゅとう)は両(ふた)つながら依然たり
[石造りの橋と朱塗りの塔はどちらも以前のまま]

 

年年送客横塘路
年年客を送る横塘の路(みち)
[毎年毎年旅人を送る横塘の小道]

 

細雨垂楊繋画船
細雨(さいう)垂楊(すいよう)に画船を繋(つな)ぐ
[小雨が降りだししだれ楊(やなぎ)に彩った船を繋いでいる]

 

 

■注目点
横塘。どんな役割を持つ堤なのか。注目。
答えは3句目。年年客を送る役割。その横塘をどう描写するのでしょうか。
南浦は横塘の南側の水辺でしょう。そこは今は春。川いっぱい緑。それは4句目のしだれ柳の色でしょうか。
横塘の近くには石造りの橋、朱塗りの塔がある。橋はアーチ型で、塔は仏塔でしょうか。それらはすべて昔のまま。横塘の辺りは運河が多く、仏教が栄えた所です。
小雨が降りだし、彩った船をしだれ柳に繋ぐ。彩った船。商人の乗る船でしょうか。
横塘。そこは人々の往来が多く、旅人を送る所だったのでしょう。

 

《PN・帰鳥》