山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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梅の花

2015.10.23

有梅無雪不精神

有雪無詩俗了人

薄暮詩成天又雪

与梅併作十分春

 

一一九九年生まれの方岳(ほうがく)の「梅の花」。

 

■読みと解釈

有梅無雪不精神

梅有るも雪無ければ精神ならず

[梅があっても雪がないと生き生きしない]

 

有雪無詩俗了人

雪有るも詩無ければ人を俗了(ぞくりょう)す

[雪があっても詩がないと俗人にしてしまう]

 

薄暮詩成天又雪

薄暮に詩成り天又た雪ふらす

[夕暮れに詩が仕上がり天が雪を降らせる]

 

与梅併作十分春

梅と併(あわ)せて十分の春と作(な)る

[梅と雪と詩を一緒にすると完璧な春となる]

 

■注目点

何が言いたいのか、主題に注目。

この詩はいかにも理屈っぽいが、手がかりは反復語。梅→雪→雪→詩→詩→雪→梅。最後の梅は最初の梅につながる。尻取り方式。

十分の春を追求している。梅と雪と詩。この三つが揃わぬと、十分の春とは言えぬ。一つでも欠けたら、十分の春とは言えぬ。

梅を雪に見立て、雪を梅に見立て、白い梅と白い雪を抱き合わせて詠む。この手法は独創的ではない。ここに詩を持ちこむのは独創的。

梅と雪は自然のもの。自然の力なくしてはならぬもの。詩は人間のもの。人間の力なくしてはならぬもの。

自然の力に人間の力を加える。三つ併せて完璧な春とし、これを主題とする。これは独創的。理屈っぽいが、面白い発想。

 

《PN・帰鳥》