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桂林荘で雑詠し諸生に示す

2012.02.03

休道他郷多苦辛
同袍有友自相親
柴扉暁出霜如雪
君汲川流我拾薪

 

一七八二年生まれの広瀬淡窓(たんそう)の「桂林荘(けいりんそう)で雑詠し諸生に示す」。桂林荘は学舎。諸生は学生。

 

■読みと解釈
休道他郷多苦辛
道(い)うを休(や)めよ他郷苦辛多しと
[言うな古里を離れた地は苦労が多いと]

 

同袍有友自相親
同袍(どうほう)友有り自(おのず)から相(あ)い親しむ
[暮らしを共にする友がおり自然に親しみあうものだ]

 

柴扉暁出霜如雪
柴扉(さいひ)暁に出ずれば霜は雪の如し
[粗末な小屋から早朝外に出ると霜はまるで雪のよう]

 

君汲川流我拾薪
君は川の流れに汲め我は薪を拾わん
[君は川の水を汲むがよい我は薪を拾おう]

 

 

■注目点
古里を離れ勉学に励む学生の環境に注目。
同袍は一枚の綿入れを共用する仲間。実際に共用せずとも、着る物にも困った環境。
学舎の桂林荘は柴扉。柴で編んだ扉。粗末な学舎だったのでしょう。恵まれない環境。
早朝起床。外に出ると、一面に霜。雪のようにまっ白。四季のうちあえて冬を選んだことに注目。厳しい環境。
水を汲む係。薪を拾う係。学生手分けして炊事。難儀な環境。
学生の環境は衣食住、すべてに苦労の多いものでした。そんな苦労を苦労とせず、ひたすら勉学に励む。そこにあるのは切磋琢磨。学舎から多くの人材が世に出ました。

 

《PN・帰鳥》