山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

お問い合わせはこちら

東欄の梨の花

2011.04.22

梨花淡白柳深青
柳絮飛時花満城
惆悵東欄一株雪
人生看得幾清明

 

一〇三六年生まれの蘇軾(そしょく)の「東欄(とうらん)の梨の花」。東欄は家の東側の欄干。手摺り。

 

■読みと解釈
梨花淡白柳深青
梨の花は淡白にして柳は深青(しんせい)たり
[梨の花は淡くて白く柳は深くて青い]

 

柳絮飛時花満城
柳の絮(わた)の飛ぶ時 花は城に満つ
[柳のわたが飛ぶ時には梨の花は街いっぱいになる]

 

惆悵東欄一株雪
惆悵(ちゅうちょう)す東欄の一株の雪
[悲しくてならぬ東の欄干の一株の梨の花が雪のように咲いていたのが]

 

人生看得幾清明
人生 看得(みう)るは幾(いく)清明ぞ
[人生の中で清明節を何度看ることができるのか]

 

 

■注目点
梨の花を見て何を思うのか。ここに注目。
初めの2句は梨の花→柳→柳絮→花の順で、梨と柳を交互に詠む。主体は題からわかるように梨の花。
後の2句は梨の花に重点が移る。一株の雪とは一株の梨の花を雪に譬える。梨の花が淡白であることを、譬えてくり返す。
梨の花が白く咲くのは清明節のころ。清明節は陰暦の春分から十五日目。陽暦の四月四、五日ごろ。
清明節に盛んに咲く梨の花。作者はこれを自分の人生に重ねるのです。自分の人生にはいったい何度、梨の花咲く清明節があるのか。ないのではないか。悲しみ恨むのです。

 

《PN・帰鳥》