山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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東の欄の梨の花

2018.04.06

梨花淡白柳深青

柳絮飛時花満城

惆悵東欄一株雪

人生看得幾清明

 

一〇三六年生まれの蘇軾(そしょく)の「東の欄(らん)の梨の花」。欄は欄干。手摺り。

 

■読みと解釈

梨花淡白柳深青

梨の花は淡白(たんぱく)にして柳は深き青なり

[梨の花はさっぱりして清らかで柳は深く青い]

 

柳絮飛時花満城

柳絮(りゅうじょ)の飛ぶ時は花は城に満てり

[柳の綿毛が飛ぶ時は綿毛は街一杯に満ち溢れる]

 

惆悵東欄一株雪

東の欄の一株(いっしゅ)の雪に惆悵(ちゅうちょう)す

[東側の欄干の雪のような一本の梨の木には心が痛む]

 

人生看得幾清明

人生幾(いく)たびの清明(せいめい)を看(み)得んや

[人生何度も何度も清明節を看ることはできぬ]

 

 

■注目点

何が言いたいのかに注目。

本詩の題材は梨の花と柳の花だが、中心は題からして梨の花。

梨は春分を過ぎる清明節の頃、白い花が咲き、甘い実がなる。白い花は白い雪に見え、風に漂う香りは、何となく寂しく、悲しみを誘う美しさがある。

清明節は春真っ盛りの季節。春真っ盛りの清明節は、生きている間にどれほども会えぬ。清明節にどれほども会えぬのは、梨の花にどれほども会えぬことに同じ。

蘇軾は欄干に咲いている梨の花を見て、人生無常を嘆息する。

 

《PN・帰鳥》