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村居

2013.03.08

草長鴬飛二月天
払堤楊柳酔春煙
児童散学帰来早
忙趁東風放紙鳶

 

一八五〇年ごろの高鼎(こうてい)の「村居(そんきょ)」。村居は村の暮らし。

 

■読みと解釈
草長鴬飛二月天
草は長く鴬は飛ぶ二月の天
[草は長く伸び鴬が飛び交う二月の時節]

 

払堤楊柳酔春煙
堤(つつみ)を払う楊柳(ようりゅう)は春煙(しゅんえん)に酔う
[土手をさっと払う風に揺れる楊柳は春霞に酔っている]

 

児童散学帰来早
児童は散学(さんがく)して帰り来たること早く
[子どもらは学校が終わると早く帰って来て]

 

忙趁東風放紙鳶
忙しく東風を趁(お)い紙鳶(しえん)を放(はな)てり
[夢中で東風を追っかけ凧をあやつっている]

 

 

■注目点
どんな村を詠んでいるのか。村の風景に注目。
陰暦二月。春です。春の村を詠みます。
冬から春になり、畠では草が伸び、山では鴬が飛び鳴いている。春を喜んでいます。
土手には楊柳。楊は川やなぎ。柳は枝垂れやなぎ。そのやなぎは春風に吹かれ、春霞を飲み酔っ払っている。のどかな村です。
そこに学校帰りの子。急ぎ足で帰る子ら。何のために急ぐ。凧をあげるためです。帰るや否や、凧を持って野原へ。東の風に凧を乗せ、自由自在にあやつっている。子らの表情が容易に想像されます。
この詩のうまさは、急いで学校から帰り、凧をあやつる村の子ら。これを詠んだことではないでしょうか。

 

《PN・帰鳥》