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村の夜

2010.09.17

霜草蒼蒼蟲切切
村南村北行人絶
独出門前望野田
月明蕎麦花如雪

 

作者は白居易(はくきょい)。白楽天(はくらくてん)とも言う。七七二年生まれ。詩の題は「村の夜」。

 

■ 読みと解釈
霜草蒼蒼蟲切切
霜草(そうそう)は蒼蒼(そうそう)蟲(むし)は切切
[霜枯れの草は青白い 蟲が切切と鳴いている]

 

村南村北行人絶
村南村北 行人(こうじん)は絶(た)ゆ
[村の南も村の北も道行く人はいない]

 

独出門前望野田
独り門前に出(い)でて野田(やでん)を望めば
[独り門の前に出て遠く野原や田畑を眺めると]

 

月明蕎麦花如雪
月明らかにして蕎麦(そば)は花 雪の如(ごと)し
[月は明るく蕎麦の花はまるで雪のよう]

 

 

■ 注目点
場所は村。時刻は夜。月の夜。周囲は野田。野田には蕎麦の白い花。
霜枯れの草の中で蟲が切切(擬声語)と鳴いている。もの寂しい景です。
村を走る道。人の姿はありません。夜だからでしょうか。村だからでしょうか。
白居易は門の前から野原や田畑を眺める。一面平地です。
空にかかる月。平地を照らします。平地一面、今を盛りの蕎麦の白い花。いかにも村の風景。夏から秋にかけての風景です。白居易の心境はどうなのでしょう。

 

《PN・帰鳥》