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書物を焼き穴に埋める

2017.08.18

竹帛煙銷帝業虚

関河空鎖祖竜居

坑灰未冷山東乱

劉項元来不読書

 

八三七年生まれの章碣(しょうけつ)の「書物を焼き穴に埋める」。

 

■読みと解釈

竹帛煙銷帝業虚

竹帛(ちくはく)は煙銷(き)えなば帝業は虚(むな)しく

[書物を焼き捨てた煙が消えると始皇帝(しこうてい)の功業は実体がなくなり]

 

関河空鎖祖竜居

関河(かんが)は空(むな)しく鎖(とざ)す祖竜(そりゅう)の居(きょ)を

[函谷関や黄河はいたずらに始皇帝の居所咸陽(かんよう)を取り囲んでいる]

 

坑灰未冷山東乱

坑灰(こうはい)は未(いま)だ冷えざるに山東は乱(みだ)る

[書物を焼き捨てた穴が冷たくならぬ内に山東の地は乱れた]

 

劉項元来不読書

劉項(りゅうこう)は元来(がんらい)書を読まず

[劉邦(りゅうほう)も項羽(こうう)ももともと書物を読む人間ではなかったのだ]

 

 

■注目点

書物を焼き穴に埋めた蛮行に注目。

始皇帝は人民に己の言動を師とさせるために、儒者の書物を焼き、儒者を穴埋めにした。章碣は千年後に、始皇帝のこの蛮行を揶揄する。

役立たず首都咸陽を囲んでいる函谷関や黄河。始皇帝の蛮行が収まらぬ内に起こった山東の乱。書物には無関心な劉邦と項羽。これらは蛮行とは全く無縁。それを揶揄する。

始皇帝の蛮行は当時の歴史事実とは無関係。章碣は冷静に歴史を見つめ、意味のない蛮行として揶揄する。

 

《PN・帰鳥》