山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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暮江の吟

2014.10.17

一道残陽鋪水中

半江瑟瑟半江紅

可憐九月初三夜

露似真珠月似弓

 

作者は白居易(はくきょい)。七七二年生まれ。題は「暮江(ぼこう)の吟」。秋の夕暮れの川を歌います。

 

■読みと解釈

一道残陽鋪水中

一道の残陽(ざんよう)水中に鋪(し)けば

[沈まんとするひとすじの夕日が水中に敷きつめられると]

 

半江瑟瑟半江紅

半江は瑟瑟(しつしつ)にして半江は紅(くれない)なり

[川の半分は深い緑になり川の半分は紅色になる]

 

可憐九月初三夜

憐(あわれ)むべし九月初三(しょさん)の夜

[九月初の三日の夜は何ともすばらしい]

 

露似真珠月似弓

露は真珠に似て月は弓に似たり

[露は真珠のようで月は弓のよう]

 

 

■注目点

注目点は秋の九月三日夜の川の描写。

水中に敷きつめられたひとすじの夕日。夕日は水面から水中深くへ。川全体がひとすじの夕日で染まります。

川の色が半々に分かれる。深い緑と紅。深い緑は水中の色?紅は水面の色?色の違いは想像をかきたてます。

これらは秋の九月三日夜のすばらしい川の景ですが、川の景を引きたてるのが真珠のような露、弓のような月です。

露は川の傍、月は川の上。川のすばらしさを立体的に引きたてます。

 

《PN・帰鳥》