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暮れ寒し

2016.03.18

梅花自爛漫
百舌早迎春
逾寒衣逾薄
未肯懐腰身

 

五五〇年頃の王叔英(おうしゅくえい)の妻の「暮れ寒し」。寒い夕暮れを詠む詩。

 

 

■読みと解釈
梅花自爛漫
梅の花は自(おのず)から爛漫(らんまん)にして
[梅の花は自然に咲き乱れ]

 

百舌早迎春

百舌(もず)は早(つと)に春を迎えたり
[百舌はとっくに春を迎えている]

 

逾寒衣逾薄
逾(いよ)いよ寒くして衣は逾いよ薄きも
[いよいよ寒く着物はいよいよ薄いのに]

 

未肯懐腰身
未だ腰身を懐くを肯ぜず
[腰や身を抱いてくれない]

 

 

■注目点
作者の女心に注目。
梅の花と百舌。ともに春の景。梅の花は白さと香。人々を引きつける。百舌は舌を転がし、鳴き乱れる声。人々を引きつける。
自然界の花や鳥は、あるがままの姿で引きつけるが、人間界の女性はどうか。花や鳥と女性。それを詠むのがこの詩。
季節は春。寒い。春の夕暮れか。寒くて仕方ない。着ている物は薄い。着ているのは作者の女性。寒ければ厚い物を着ればいいのに。なぜ薄い物なの?下心ありや。
この女性は男性の到来を待っている。腰や身を抱いてくれる男性を待っている。その男性は夫? それとも? 待っているが、男性は現れない。薄情な男性。
暮れの寒さは女性の寒さ。気の毒?

 

《PN・帰鳥》