山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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春風

2012.03.23

春風先発苑中梅
桜杏桃梨次第開
薺花楡莢深村裏
亦道春風為我来

 

七七二年生まれの白居易(はくきょい)の「春風」。

 

■読みと解釈
春風先発苑中梅
春風は先ず苑(その)の中の梅を発(ひら)き
[春の風は最初に庭の中の梅の花をひらき]

 

桜杏桃梨次第開
桜(おう)杏(きょう)桃(とう)梨(り)次第に開く
[桜(ゆすらうめ)・杏(あんず)・桃・梨の花を次々に開く]

 

薺花楡莢深村裏
薺(なずな)の花 楡(にれ)の莢(さや)の深村の裏(うち)
[薺の花が咲き楡の実が生る山深い村の中]

 

亦道春風為我来
亦(ま)た道(い)う春風は我が為(ため)に来たると
[(その山深い村にも)また春の風は薺や楡の為に来るのだと言う]

 

 

■注目点
春風の動きと、4句目の亦たの働きに注目。
春風は花を開かせます。開かせるのに順があります。
まっ先に庭の梅。続いて桜・杏・桃・梨。そして薺の花・楡の実。
この順は何を意味するのでしょうか。
苑中と深村に注目すると、梅・桜・杏・桃・梨は苑中の花で、薺と楡は深村の花。深村は山深い村なので、苑中は庭のある街、もっと言えば宮中かもしれません。
亦たは同じようにまた。そう使います。とすると、亦たは街、宮中に春風が来るように、山深い村にもまた、春風はやって来ると言うのです。春風は公平にどこへでもやって来るのです。

 

《PN・帰鳥》