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春暁

2012.04.06

春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少

 

作者は六八九年生まれの孟浩然(もうこうねん)。題は「春暁(しゅんぎょう)」。

 

■読みと解釈
春眠不覚暁
春眠 暁(あかつき)を覚えず
[春の眠りに暁の刻になったのも気づかず]

 

処処聞啼鳥
処処(しょしょ)啼鳥(ていちょう)を聞く
[いたる所から鳥の鳴き声が聞こえてくる]

 

夜来風雨声
夜来(やらい)風雨の声
[夕べは風まじりの雨の音がしたが]

 

花落知多少
花落つること知る多少
[花はどれほど散ったことやら]

 

 

■注目点
作者の居場所と意識状態に注目。居場所はベッドの中。意識は眠りから覚めきれぬ状態。
春は気分がよく眠りから覚めにくい。作者はベッドの中でうつらうつらしている。中国は畳ではなくベッド。
すると、あっちこっちから鳥の鳴き声が聞こえる。ベッドの中でうつらうつら聞いている。何という鳥だろう。
うつらうつらの状態で、夕べは風まじりの雨の音がしたことを思い出す。
あの風雨で花がどれほど散ったことやら。さぞかしたくさん散ったであろう。花の名は何だろう。
暁の刻になってもベッドの中にいられるのはどんな人。役人には不可能。退職者か隠者か。名誉や地位や財産を求めない人です。
春眠 暁を覚えず――日本人の好きな句。あちこちで耳にします。

 

《PN・帰鳥》