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春日の偶作

2013.04.26

飛花寂寂燕双双
南客衡門対楚江
惆悵管弦何処発
春風吹到読書窓

 

七五八年生まれの武元衡(ぶげんこう)の「春日の偶作(ぐうさく)」。偶作は思いつきの作品。

 

■読みと解釈
飛花寂寂燕双双
飛ぶ花は寂寂(せきせき)たり 燕は双双(そうそう)たり
[散る花はもの寂しく燕はつがいで飛ぶ]

 

南客衡門対楚江
南客の衡門(こうもん)は楚江(そこう)に対す
[南方に客人として住むあばら屋は楚の川に面している]

 

惆悵管弦何処発
惆悵(ちゅうちょう)す管弦は何(いず)れの処(ところ)にか発する
[悲しくてならぬ笛や琴の音はどこで演奏しているのか]

 

春風吹到読書窓
春風は読書の窓に吹き到(いた)る
[春の風はその音を本を読むわが窓に吹き届けている]

 

 

■注目点
どんな気持ちで春日に対しているのか。作者の心境に注目。
作者は南客で衡門に住み、惆悵している。
客は古里を離れた人を言うので、作者は古里を離れ、南方にいる。その地は楚。
住んでいる家はあばら屋。粗末な小屋です。
惆悵の意味は、憂い悲しむ。恨み嘆く。落胆する。惆悵する原因は何でしょうか。古里を離れ、南方の楚にいること。原因はここにあるのかもしれない。
そんな折、作者は窓辺で読書している。そこへ春風に乗って、にぎやかな音楽の音色。どんな心境でその音色を聞いたのでしょうか。

 

《PN・帰鳥》