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春の歌

2017.12.01

朝日照北林

初花錦繍色

誰能春不思

独在機中織

 

作者不明の「春の歌」。製作は唐以前。

 

■読みと解釈

朝日照北林

朝日は北の林を照らし

[朝の太陽は北の林を輝き照らし]

 

初花錦繍色

初花(しょか)は錦繍(きんしゅう)の色なり

[咲きたての花は錦や刺繍の色です]

 

誰能春不思

誰か能(よ)く春に思わざらん

[春は誰だって思い慕うことができる]

 

独在機中織

独り機中(きちゅう)に在りて織れり

[ただ独り機織り台で布を織っている]

 

 

■注目点

初めの二句と後の二句との繋がりに注目。

後の二句の言いたいこと。それは明白。機織り台で独り布を織る織女。独りぼっちで孤独な織女。天帝に仲を裂かれ、牽牛を思わずにはいられない織女。牽牛と織女。この二星を詠むのが後の二句。

これに先立つ初めの二句は何が言いたいのか。後の二句と無関係ではあるまい。後の二句にどう繋げ、理解すればいいのだろう。東と北。朝日と林。初花。これらの方角や題材は、後の二句とどう繋がるのだろう。強引かも知れぬが、東と朝日は牽牛ではないか。彦星の牽牛は陽気で能動的。北と林と初花は織女ではないか。女星の織女は陰気で受動的。陰気で受動的な織女は孤独に堪え、陽気で能動的な牽牛は支援する。こんな関係で初めの二句と後の二句は繋がるのではないだろうか。

 

《PN・帰鳥》