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春の夜

2011.04.29

春宵一刻値千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細
鞦韆院落夜沈沈

 

一〇三六年生まれの蘇軾(そしょく)の「春の夜」。

 

■読みと解釈
春宵一刻値千金
春宵(しゅんしょう)一刻値(あたい)千金
[春の宵は一刻が千金の価値がある]

 

花有清香月有陰
花に清香(せいこう)有り 月に陰(かげ)有り
[花は清らかな香りがし月はおぼろに霞んでいる]

 

歌管楼台声細細
歌管(かかん)楼台(ろうだい)声細細(さいさい)
[歌声や笛の音が高殿でしていたがその声はひっそりし]

 

鞦韆院落夜沈沈
鞦韆(しゅうせん)院落(いんらく)夜沈沈(ちんちん)
[ぶらんこ遊びを中庭でしていたが夜もひっそりしている]

 

 

■注目点
一刻が千金の価値がある春の宵。それをどう詠むかに注目。
一刻は約十五分。約十五分が千金。千金あれば罪をあがなうことができた大金。
清らかな香りがする花。その花は桃か季。おぼろに霞んでいる月。
一刻が千金もする春の宵。花も月も揃った春の宵。その春の宵を音楽とぶらんこ遊びで楽しみます。
高殿で音楽を楽しむのは男たちでしょう。音楽の音も夜がふけてひっそりしています。
中庭でぶらんこ遊びをしているのは女たちでしょう。女たちの声も夜がふけてひっそりしています。
にぎにぎしさの後の静けさ。まさに一刻値千金の春宵。今を生きる人生観なのでしょう。

 

《PN・帰鳥》