山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

お問い合わせはこちら

春の夜に洛陽の街で笛を聞く

2011.03.25

誰家玉笛暗飛声
散入春風満洛城
此夜曲中聞折柳
何人不起故園情

 

七六二年生まれの李白(りはく)の「春の夜に洛陽(らくよう)の街で笛を聞く」。洛陽は当時の副都。

 

■読みと解釈
誰家玉笛暗飛声
誰(た)が家の玉笛(ぎょくてき)ぞ暗(あん)に声を飛ばす
[どこの家からか立派な笛が暗がりの中ひそかに音を飛ばしており]

 

散入春風満洛城
散じて春風に入り洛城に満つ
[その音は四方に散って春風に入り洛陽の街いっぱいに広がる]

 

此夜曲中聞折柳
此(こ)の夜 曲中に折柳(せつりゅう)を聞く
[この夜流れる曲の中には折楊柳(せつようりゅう)という曲が聞こえる]

 

何人不起故園情
何人(なにびと)か故園(こえん)の情を起こさざらん
[これを聞くと誰だって古里を思う情を起こさずにはおれない]

 

 

■注目点
笛の役割に注目。笛という楽器は、汚れた心を清浄にしてくれるそうです。
副都の洛陽に笛の音が聞こえる。発信元は不明だが、春風に乗って洛陽全体に広がる。時は春の夜。作者は聞くともなく聞いていると、折楊柳という曲が流れてきたのです。汚れた心を清浄にしてくれる笛の音です。
折楊柳の曲を聞いていた作者は、古里に思いをはせます。折楊柳は送別の曲だったのです。枝を曲げた楊柳を旅に出る人に送ると、再会できるという因習があった。その曲を笛で吹いたのです。

 

《PN・帰鳥》