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新妻の詞

2012.10.26

三日入廚下
洗手作羮湯
未諳姑食性
先遣小姑嘗

 

七六六年生まれの王建(おうけん)の「新妻の詞(うた)」。

 

■読みと解釈
三日入廚下
三日にして廚下(ちゅうか)に入り
[嫁いで三日目にして台所に入り]

 

洗手作羮湯
手を洗いて羮湯(こうとう)を作る
[手を洗い清めて吸い物を作っている]

 

未諳姑食性
未(いま)だ姑(こ)の食性を諳(そら)んぜざれば
[まだ姑(しゅうとめ)の食べ物の好き嫌いを覚えていないので]

 

先遣小姑嘗
先に小姑(しょうこ)をして嘗(な)めしむ
[先に小姑(こじゅうと)に味見させることにした]

 

■注目点
新妻の心遣いに注目。
嫁いだばかりの新妻。嫁ぎ先には夫以外、舅、姑、小姑がいる。新妻はこれらの連中とどうやって人間関係を作り、自分の居場所を作るのでしょうか。
新妻は嫁いで三日目、台所に立つ。緊張と不安。家風も違い、食べ物も違う。戸惑うことばかり。
台所に立った新妻。最初の心遣い。冷たい水で手を洗い、身を清める。最初に作った料理。それは吸い物。嫁ぎ先の味はわからぬ。一つ間違えば嫌われ者に。緊張と不安。
姑に嫌われたら最後。吸い物を姑に出す前に小姑に味見してもらう心遣い。緊張と不安。
新妻にとっての姑は、敵ともなり味方ともなる存在。新妻の初々しい心遣い。かくて居場所ができる新妻になる。

 

《PN・帰鳥》