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悟真院

2012.04.20

野水縦横漱屋除
午窓残夢鳥相呼
春風日日吹香草
山北山南路欲無

 

一〇二一年生まれの王安石の「悟真院(ごしんいん)」。悟真院は南京郊外の寺。

 

■読みと解釈
野水縦横漱屋除
野水(やすい)は縦横に屋除(おくじょ)を漱(すす)ぎ
[野の水は自由自在に寺の階段をすすぎ洗い]

 

午窓残夢鳥相呼
午窓(ごそう)の残夢(ざんむ)に鳥は相(あ)い呼ぶ
[ま昼の窓辺で見残した夢の中で鳥たちが呼び合っている]

 

春風日日吹香草
春風は日日(ひび)香草を吹き
[春の風が毎日毎日香りのいい草を吹いて芳香をただよわせ]

 

山北山南路欲無
山北山南は路(みち)無からんと欲す
[山の北も山の南も小道が無くなろうとしている]

 

 

■注目点
悟真院の風景描写に注目。悟真院は寺です。その寺をどう描写するかに注目。
悟真院は野にあるようです。野を流れる水が、悟真院の階段を洗い清めます。寺にふさわしい清らかな水。
作者は春の陽気に誘われ昼寝。寺の窓辺に寄りかかって見た夢。見果てぬ夢の中に鳥が登場。互いに呼び合っている。夢か現か。寺ならではの夢。
寺から外へ出て見ると、香り草が春風に乗り、辺り一面いい香りがする。
寺の北、寺の南を歩いて見ると、小道がない。香り草で覆われ、ないのでしょう。
野も山もあるひっそりとした寺。そんな感じがします。

 

《PN・帰鳥》