山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

お問い合わせはこちら

征人の怨み

2014.06.13

歳歳金河復玉関

朝朝馬策与刀環

三春白雪帰青冢

万里黄河遶黒山

 

唐の詩人柳中庸(りゅうちゅうよう、生没年不明)の「征人の怨み」。征人は兵士。

 

■読みと解釈

歳歳金河復玉関

歳歳に金河(きんが)復(ま)た玉関(ぎょくかん)

[毎年毎年金河へさらに玉門関へ]

 

朝朝馬策与刀環

朝朝(ちょうちょう)に馬策(ばさく)と刀環(とうかん)と

[毎日毎日騎馬となり歩兵となる]

 

三春白雪帰青冢

三春の白雪は青冢(せいちょう)に帰し

[春三か月白い雪が王昭君(おうしょうくん)の墓に降り]

 

万里黄河遶黒山

万里の黄河は黒山(こくざん)を遶(めぐ)る

[万里もの黄河は黒山をとりまいている]

 

 

■注目点

題の「征人の怨み」の中身に注目。

金河、黄河は河。玉門関は関所。黒山は山。青冢は王昭君の墓。これらの固有名詞は、征人が戦った戦場です。

金河、黒山、王昭君の墓は北方の内蒙古自治区にある。黄河は北方を西から東へ流れる大河。玉門関は西方の甘粛省敦煌の西。

中国北方から西方に位置するこの辺りには、外敵が漢民族侵略を狙っていた。

征人は毎年毎年、毎日毎日、騎馬となり、歩兵となり、命を賭して戦っていた。

王昭君は漢の世に犠牲となり、外敵に嫁がされた女。その地で死んだ墓には、白い雪が降り続いている。征人の戦意は萎える。

悪環境で戦い続ける征人。怨みは尽きない。

 

《PN・帰鳥》