山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

お問い合わせはこちら

州橋

2018.02.16

州橋南北是天街

父老年年等駕迴

忍涙失声詢使者

幾時真有六軍来

 

一一二六年生まれの范成大(はんせいだい)の「州橋(しゅうきょう)」。州橋は河南省開封県にある橋の名。

 

■読みと解釈

州橋南北是天街

州橋の南北は是(こ)れ天街(てんがい)にして

[州橋の南側北側は南から北へ通じる都大路であり]

 

父老年年等駕迴

父老は年年駕(が)の迴(かえ)るを等(ま)つ

[長老たちは何年も何年も車馬が戻るのを待っている]

 

忍涙失声詢使者

涙を忍び声を失(ひそ)めて使者に詢(と)う

[涙をこらえ声をひそめ君王の命を受けた使者に問う]

 

幾時真有六軍来

幾時(いつ)か真(まこと)に六軍(りくぐん)の来たる有りや

[何時になったら本当に君王の軍隊は戻ってくるのかと]

 

 

■注目点

言いたいことに注目。

詩題は「州橋」だが、橋の事が言いたい。そうではなく、橋を借りて何か言いたいようである。それは何か。

都大路に集まる多くの長老。君王の軍隊は帰って来る、帰って来ると耳にするが、帰って来ぬ。何年も何年も帰って来ぬことを憂う長老。長老の心労は究極に達している。

君王の命を受けた使者とは誰か。想像を広げると、作者范成大ではないか。長老は承知の上で范成大に聞いたのではないか。聞かれた范成大は、なぜか明言しない。なぜだろう。

 

《PN・帰鳥》