山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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山の中にて幽人と対酌す

2014.07.04

両人対酌山花開

一杯一杯復一杯

我酔欲眠卿且去

明朝有意抱琴来

 

七〇一年生まれの李白「山の中にて幽人(ゆうじん)と対酌(たいしゃく)す」。幽人は世捨て人。対酌は向かい合って酒をくむ。

 

■読みと解釈

両人対酌山花開

両人対酌し山花は開く

[二人は向かい合って酒をくみ山の花は咲いている]

 

一杯一杯復一杯

一杯一杯復(ま)た一杯

[一杯 一杯 また一杯 一杯 一杯 一杯]

 

我酔欲眠卿且去

我は酔いて眠らんと欲す 卿(きみ)且(しばら)く去れ

[わしは酔っ払い眠たくなった あんたひとまず出て行け]

 

明朝有意抱琴来

明朝 意有らば琴を抱(いだ)きて来たれ

[明日の朝 思いがあるならば琴を抱えてやって来い]

 

 

■注目点

幽人に対する李白の思いに注目。

李白は花咲く山の中で、幽人と向き合い、酒をくみ交わしている。

一杯を三回くり返すのは、回数の多さ、時間の長さを言い、黙々と飲み、飲みに飲み酔っ払ったことを言う。

酔っ払った李白は、眠りに襲われる。目の前には飲み相手の幽人がいる。その幽人に向かい「あんたひとまず出て行け」と、勝手放題、無礼千万、ぞんざいに言い放つ。

わしにまだ用があれば、明日の朝早く琴を抱えてやって来い。これまたぞんざい。琴は世捨て人のたしなみ。

幽人と李白との関係は極めて親しい? 極めて疎い? 呑兵衛李白の面目躍如?

 

《PN・帰鳥》