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少年の行

2016.06.03

新豊美酒斗十千
咸陽遊侠多少年
相逢意気為君飲
繋馬高楼垂柳辺

 

六九九年生まれの王維(おうい)の「少年の行(うた)」。

 

■読みと解釈
新豊美酒斗十千
新豊(しんぽう)の美酒は斗(と)十千
[新豊の美酒は一斗が一万金]

 

咸陽遊侠多少年
咸陽(かんよう)の遊侠(ゆうきょう)は少年多し
[咸陽の少年は遊侠ばかり]

 

相逢意気為君飲
相(あ)い逢(あ)えば意気は君の為(ため)に飲む
[逢えば意気投合飲み合うだけ]

 

繋馬高楼垂柳辺
馬を高楼(こうろう)の垂柳(すいりゅう)の辺りに繋(つな)ぐ
[馬を高殿の枝垂れ柳辺りにつないで]

 

■注目点
少年の意気に注目。
少年は遊侠。生を軽んじ義を重んじ、強きをくじき弱きを助ける。それが遊侠。
この遊侠少年は咸陽住まい。咸陽は首都長安近くの繁華街。遊侠少年は馬に乗り、上等な衣装をまとい、繁華街を闊歩。そして咸陽近くの新豊産の美酒をあおる。美酒の値段は一斗一万金。大金も大金。恰好いい存在。それが遊侠少年。
遊侠少年。繁華街に溢れている。顔を見れば声をかける。心は一つ。意気投合。酒場で杯を傾け、大金の美酒を飲む。杯を交わすごとに、一段と意気投合。
乗っていた馬は高殿の枝垂れ柳につないでいる。馬の数は十や五十ではない。
意気揚々たる遊侠少年。庶民はどんな眼で見ていたのだろうか。

 

《PN・帰鳥》