山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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少年の行

2019.03.01

遺卻珊瑚鞭

白馬驕不行

章台折楊柳

春日路傍情

 

六八七年頃生まれの崔国輔(さいこくほ)の「少年の行(うた)」。

 

読みと解釈

遺卻珊瑚鞭

 珊瑚(さんご)の鞭(むち)を遺卻(いきゃく)して

[珊瑚の鞭を置き忘れて]

 

白馬驕不行

 白馬は驕(おご)りて行かず

[白い馬は驕り昂ぶり進まぬ]

 

章台折楊柳

 章台(しょうだい)にて楊柳(ようりゅう)を折れば

[章台で楊柳(やなぎ)を手折って鞭とし]

 

春日路傍情

 春の日は路傍(ろぼう)の情なり

[春の日は道ばたの情である]

 

 

注目点

 少年の行動に注目。

 少年の乗り物は白い馬。優れた馬。少年は馬を走らせる珊瑚の鞭を置き忘れた。珊瑚は得難い贅沢品。珊瑚の鞭でないと、馬は走らない。少年同様に馬も得意然。

 少年は章台で鞭代わりに楊柳を折る。窮余の一策。楊柳の粗末な鞭で馬は走るのか。

 章台は首都長安街の一角で花柳界。花柳界には見取り選り取りの妓女。春の日に章台の道端で出会った妓女。互いに情を交わし、走らぬ馬を諦め、少年は妓女と遊ぶ。

 本詩の少年と妓女との間に恋が芽生える。芽生える情景を描くのに、珊瑚の紅、馬の白、楊柳の緑、春の青など、種々の色彩を多用し、情景を盛り上げる。

 少年の一連の行動。得意然たる行動。どう思います。

 

《PN・帰鳥》