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小園

2012.05.18

小園煙草接鄰家
桑柘陰陰一径斜
臥読陶詩未終巻
又乗微雨去鋤瓜

 

一二一〇年生まれの陸游(りくゆう)の「小園」。小さな畠。

 

■読みと解釈
小園煙草接鄰家
小園の煙草(えんそう)は鄰家(りんか)に接し
[小さな畠の霞に覆われた草は隣の家に続き]

 

桑柘陰陰一径斜
桑柘(そうしゃ)は陰陰として一径(いっけい)斜めなり
[桑や柘(やまぐわ)は茂って薄暗く小道が一本斜めに続いている]

 

臥読陶詩未終巻
臥(が)して陶詩(とうし)を読むも未だ巻を終えざるに
[寝転んで陶淵明(とうえんめい)の詩を読んでいたが読み終わらぬうちに]

 

又乗微雨去鋤瓜
又た微雨に乗じて去(ゆ)きて瓜(うり)を鋤(す)く
[また小雨を利用して出かけ瓜畠を耕すことにする]

 

 

■注目点
小さな畠。どんな風景かに注目。
小さな畠は草が生え、桑や柘が茂り、瓜を植える所です。季節は春のようです。
畠には霞で覆われた草。草はいま春とばかり、生い茂っている。その草畠が隣の家まで続いている。
桑と柘。これもいま春とばかり、木陰を成すほどで茂っている。蚕の餌でしょうか。
こんな畠の持ち主は、農民詩人の陶淵明の詩を読みます。同じ農民として共感するところがあるのでしょうか。
読み終わらぬうちに小雨になる。小雨を待っていたのか、畠へ出て瓜を植える準備。
雨の農村風景です。

 

《PN・帰鳥》