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寒雀

2010.12.10

百千寒雀下空庭
小集梅梢話晩晴
特地作団喧殺我
忽然驚散寂無声

 

一一二四年生まれの楊万里(ようばんり)の「寒雀(かんじゃく)」。

 

■読みと解釈
百千寒雀下空庭
百千の寒雀(かんじゃく)は空庭(くうてい)に下(くだ)り
[数多くの冬スズメが人のいない庭に下りてきたり]

 

小集梅梢話晩晴
梅の梢(こずえ)に小集して晩晴(ばんせい)に話す
[梅の小枝のここそこに集まり日暮れの晴れ間に話し合ったりする]

 

特地作団喧殺我
特地(とくち)に団を作(な)して我を喧殺(けんさつ)するも
[わざわざ集団となって騒々しく鳴き私を悩ますが]

 

忽然驚散寂無声
忽然(こつぜん)として驚き散じて寂(せき)として声無し
[急にびっくりして散り散りになりひっそりとし声一つない]

 

 

■注目点
冬スズメの行動の細かい描写に注目。
百も千もの冬スズメ。人のいない庭に下りてくる。庭の様子を想像してみてください。
別の何羽かが夕日をあび、梅の小枝に小集団。話をしている。どんな話をしているのでしょう。
ところが、小集団が大集団へ。ワイワイガヤガヤやりだした。何をしゃべっているのでしょう。
ところがところが、その大集団。何があったのか。にわかに解散。後は沈黙。静寂。
この詩、スズメを人に置き換えてみるとどうでしょう。想像が広がりませんか。

 

《PN・帰鳥》