山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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客中の行

2013.10.18

蘭陵美酒鬱金香

玉椀盛来琥珀光

但使主人能酔客

不知何処是他郷

 

七〇一年生まれの李白(りはく)の「客中の行(うた)」。客中は旅の途中。

 

■読みと解釈

蘭陵美酒鬱金香

蘭陵(らんりょう)の美酒は鬱金(うっこん)の香

[蘭陵の美酒は(舶来の)鬱金の香がし]

 

玉椀盛来琥珀光

玉椀(ぎょくわん)に盛り来たれば琥珀(こはく)の光

[玉の椀に一杯盛ると(地中の)琥珀の光がある]

 

但使主人能酔客

但(た)だ主人をして能(よ)く客を酔わしむれば

[ただ主人に私を酔わせてくれる力があれば]

 

不知何処是他郷

知らず 何(いず)れの処(ところ)か是(こ)れ他郷なるを

[どこが他郷で(どこが古里で)あるのか分からない]

 

 

■注目点

主題に注目。

詩の題は旅の途中のうた。旅の途中、何があったのか。

美酒に出会った。居ても立ってもいられぬ李白は、酒場へ飛び込む。目の前にあるのは、珍奇で神秘的、新鮮で希有な蘭陵の美酒。

ぞっこん惚れこんだ李白は、酒場の主人にせがむ。主人は李白のせがみに応え、とことん飲ませたのでしょう。

たらふく美酒が飲め、大満足の李白。主人へ感謝。飲み代の代わりにこの詩を作り贈ったのでは。

李白を満足させてくれる美酒。その美酒を飲んだ李白は、今いる所は他郷だが、古里と同じ気分でいる。主題はここ。

 

《PN・帰鳥》