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孟浩然を悼む

2015.10.09

故人不可見

漢水日東流

借問襄陽老

江山空蔡州

 

六八九年生まれの王維(おうい)の「孟浩然(もうこうねん)を悼む」。

 

■読みと解釈

故人不可見

故人は見るべからざるも

[死んだ孟浩然を見ることはできぬが]

 

漢水日東流

漢水は日(ひび)に東に流れり

[漢水は休むことなく日々東に流れている]

 

借問襄陽老

襄陽(じょうよう)の老に借問(しゃもん)せんとするも

[襄陽の老人にちょっと問うてみたいが]

 

江山空蔡州

江山は空(むな)しき蔡州(さいしゅう)なり

[蔡州には人影がなく川や山があるだけ]

 

■注目点

孟浩然の死を悼む思いに注目。孟浩然は今は亡き人。友人の王維が孟浩然の死を悼むのがこの詩。

今は亡き孟浩然。見たくても、見ることはできぬ。孟浩然の死は背中にできた吹き出物が因とか。享年52歳。二人は友人中の友人。

孟浩然は見ることができぬが、西から東に向かって流れる漢水は見ることができる。

孟浩然は有限。漢水は悠久。対比し強調するのは孟浩然の有限。

落ち着かぬ王維は、孟浩然と同郷の襄陽の老人に、孟浩然のあれこれを問おうとする。だが襄陽近くの蔡州の地は、川や山ばかりで、人影は見えない。問うこともできぬ。

友人中の友人の孟浩然を亡くした王維。思い尽くせぬ情。どうしようもない情。

 

《PN・帰鳥》