山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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孟城坳

2017.04.28

結廬古城下

時登古城上

古城非疇昔

今人自来往

 

七一六年生まれの裴廸(はいてき)の「孟城坳(もうじょうおう)」。孟城坳は昔の城跡。

 

■読みと解釈

結廬古城下

廬(いおり)を古城の下に結び

[小屋を昔の城の麓に造り]

 

時登古城上

時に古城の上に登る

[しょっちゅう昔の城の上に登る]

 

古城非疇昔

古城は疇昔(ちゅうせき)に非ざるも

[昔の城は昔の面影はないが]

 

今人自来往

今人(こんじん)は自(おのずか)ら来往(らいおう)す

[今の人は関係なく行き来している]

 

 

■注目点

昔の城に対する裴廸の思いに注目。

同題の詩が王維(おうい)にある。

昔の城近く新たに小屋を造り/そこには古く衰えた柳の木がある/我が死後は誰が来て住んでくれる/昔の持ち主をただただ悲しむことだろう

王維の詩を読んだ後、裴廸が詠んだのが本詩。王維の造った小屋も、何れ昔の城となり、見向きもされなくなる。そう心配する小屋へ、裴廸はしょっちゅう登る。しょっちゅう登ると、小屋は古くなると感じる。昔の面影は何一つなくなる。

だが今の私は面影とは関係なく、登ったり下ったり、行き来している。だがこれから先、昔の城となるこの小屋。どうなるやら。心配する裴廸。

同題の二人の詩。大きな違い。裴廸は古城を3度使う。単調過ぎる。勿体ない。

 

《PN・帰鳥》