山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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子夜呉歌

2015.07.31

宿昔不梳頭

絲髪被両肩

婉伸郎膝上

何処不可憐

 

無名氏の「子夜(しや)呉歌」。子夜は女性の名。呉は中国南方の地。男女の愛を歌った民間歌謡。

 

■読みと解釈

宿昔不梳頭

宿昔(しゅくせき)頭を梳(くしけず)らざれは

[夕べ髪を梳(す)かなかったので]

 

絲髪被両肩

絲髪(しはつ)は両肩を被(おお)えり

[乱れた髪が両肩までかかっているの]

 

婉伸郎膝上

郎が膝の上に婉伸(えんしん)すれば

[貴男の膝辺りにからみつくと]

 

何処不可憐

何(いず)れの処(ところ)か可憐ならざらん

[貴男の全てがいとおしいわ]

 

■注目点

女の恋心に注目。

女が朝起きてみると、両肩に乱れた髪の毛がかかっている。それは夕べ髪を梳かなかったからでしょうか。そうではなく、後朝(きぬぎぬ)の別れを惜しむ女の恋心ではないでしょうか。

この女性は男性と共寝し、そのために髪が乱れ、両肩にかかっている。そうではないでしょうか。それを夕べ髪を梳かなかった。そう言い、はぐらかしている。そうではないでしょうか。

男性の膝にからみつく女性。からみついたのは膝だけではない。からみつかれた男性。女性の全てのしぐさを可憐に思う。

男と女の愛。古今東西共通なのでしょうか。

 

《PN・帰鳥》