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子夜の変化の歌

2016.01.29

歳月如流邁

春尽秋已至

熒熒条上花

零落何乃駛

 

 

作者不詳。

題は「子夜(しや)の変化の歌」。子夜は約千五百年前の女性の名。

 

 

■読みと解釈

歳月如流邁

歳月は流るるが如(ごと)く邁(ゆ)き

[時は水が流れるように過ぎ去り]

 

春尽秋已至

春は尽(つ)き秋は已(すで)に至れり

[春が終わりもう秋になりました]

 

熒熒条上花

熒熒(けいけい)たる条(えだ)の上の花は

[木の枝に咲く見事な花は]

 

零落何乃駛

零落(れいらく)すること何ぞ乃(すなわ)ち駛(はや)からんや

[枯れ萎むことの何と速いことでしょう]

 

 

■注目点

子夜の変化に注目。

この詩の主人公は女性の子夜。なのに4句とも子夜は登場しない。登場するのは、歳月と枝に咲く花。

歳月。これで時の経つ速さを言う。水が流れるように、猛スピードで過ぎ去る。春が終わってもはや秋。春の次は夏。なのに夏を飛ばして秋。春と秋。春は歓喜。秋は悲哀。歓喜から悲哀へ。これは子夜の変化。

枝に咲く花。これで花が変わる速さを言う。木の枝に見事に花が咲くのは春。枯れて萎むのは秋。春は歓喜。秋は悲哀。歓喜から悲哀へ。これまた子夜の変化。

美しく、華やかな子夜。その子夜が衰え老いる。この子夜の変化を、傍で心ある男性が、憐れみ哀しんでいる。そんな情景も想像されます。

 

《PN・帰鳥》