山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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天門山を望む

2011.05.13

天門中断楚江開
碧水東流至北廻
両岸青山相対出
孤帆一片日辺来

 

七六二年生まれの李白(りはく)の「天門山(てんもんざん)を望む」。天門山は南京よりやや上流の山。

 

■読みと解釈
天門中断楚江開
天門は中断(た)え楚江(そこう)は開き
[天門山はまん中で断ち切られその間を揚子江が流れ]

 

碧水東流至北廻
碧水(へきすい)は東に流れ北に至って廻(めぐ)る
[緑色の水は東に流れてきたがここで北へ方向を変える]

 

両岸青山相対出
両岸の青山は相(あ)い対して出(い)で
[両岸からは青い山が向き合って突き出ており]

 

孤帆一片日辺来
孤帆(こはん)の一片は日辺(じつへん)より来たる
[一そうの帆かけ舟が一つ太陽の辺りからやって来る]

 

 

■注目点
一そうの帆かけ舟の出現に注目。
作者は天門山近くにいて、天門山、揚子江、水の流れ、両岸の様子を描写します。
天門山はまっ二つ。切り裂かれた間を揚子江が流れている。
揚子江の水は緑色。下流の東へ向かっていた流れが、作者のいる地点で北へ方向転換。
切り裂かれた天門山の両岸は青い山。その山が向き合い、高くそびえている。
緑色の水。青い山。切り裂かれた天門山。その間を流れる揚子江。ここに一そうの帆かけ舟が、太陽の辺りからやって来たのです。
太陽は朝日でしょうか。夕日でしょうか。

 

《PN・帰鳥》