山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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夜の雪

2011.01.28

已訝衾枕冷
復見窓戸明
夜深知雪重
時聞折竹声

 

七七二年生まれの白居易(はくきょい)の「夜の雪」。

 

■ 読みと解釈
已訝衾枕冷
已(すで)に訝(いぶか)る衾枕(きんちん)の冷ややかなるを
[夜具が冷たくなったのではと気になり]

 

復見窓戸明
復(ま)た見る窓戸(そうこ)の明らかなるを
[窓辺が明るくなったのが見えた]

 

夜深知雪重
夜深くして雪の重きを知る
[夜がふけて雪がひどく降っているのがわかった]

 

時聞折竹声
時に聞く折竹(せっちく)の声を
[時おり竹の折れる音が聞こえる]

 

 

■ 注目点
題の「夜の雪」。それを具体的にどう詠んでいるか。そこに注目。
具体的に詠むのに、訝る→見る→知る→聞くという動詞、その使用順に注目。
訝るのは夜具が冷たいこと。寝る時は冷たくなかったのに、夜に雪が降ったからです。
見るのは窓辺の明かり。月の明かりではなく、雪明かりです。寝ている間に雪が降ったからです。
知るのは雪の重さ。それは夜具が冷たく、雪明かりが見えたからです。雪は静かに降ったのでしょう。
聞くのは竹が折れる音。雪の重さに耐えかねたからです。音が聞こえるのは、夜が静寂だからです。
四つの動詞を巧みに使い、雪の夜を彷彿とさせます。

 

《PN・帰鳥》