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夜に子規を聞く

2014.02.14

子規啼不歇

到暁口応穿

況是不眠夜

声声在耳辺

 

七六六年生まれの王建(おうけん)の「夜に子規(しき)を聞く」。子規はほととぎす。

 

■読みと解釈

子規啼不歇

子規は啼(な)いて歇(や)まず

[子規はいつまでも啼き続ける]

 

到暁口応穿

暁に到れば口は応(まさ)に穿(うが)つべし

[明け方には当然口には穴があく]

 

況是不眠夜

況(いわ)んや是(こ)れ眠られざるの夜は

[まして眠られない夜は]

 

声声在耳辺

声声は耳の辺(あた)りに在るをや

[ひと声ひと声が耳から離れない]

 

 

■注目点

子規の啼き声を聞く作者の気持ちに注目。

子規は春の鳥。啼き声は哀切、啼いて血を吐くとも言われ、聞けば耳から離れない。杜鵑、時鳥、蜀魄、不如帰など書き分けるのは、啼き声の多様さによるとも言われている。

不如帰は「帰るに如(し)かず」と読み、意味は帰りたい。帰りたい、帰りたい、と口に穴があき、血を吐くほど、命を賭けて、夜通し啼き続ける。眠られぬ夜、その啼き声が一晩中、聞こえてきて、耳元から離れない。いよいよ眠れない。作者は子規を恨んでいるのではないか。

啼き声を聞きながら、帰りたくても帰れぬわが身。そのわが身を恨んでいるのではないか。ここに作者の気持ちがあるのでは。

 

《PN・帰鳥》