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夏日山中

2010.08.20

嬾揺白羽扇
裸袒青林中
脱巾挂石壁
露頂灑松風

 

七〇一年生まれの李白(りはく)の「夏日山中」。

夏のある日、山の中で作った詩です。

 

■ 読みと解釈
嬾揺白羽扇
嬾(ものう)く白羽扇(はくうせん)を揺(うごか)し
[けだるく白い鳥の羽で作った団扇を動かし]

 

裸袒青林中
青林の中に裸袒(らたん)す
[深く青々した林の中で片肌脱ぎ裸になった]

 

脱巾挂石壁
巾(きん)を脱ぎて石壁に挂(か)け
[頭巾を脱いで石の壁に掛け]

 

露頂灑松風
頂(いただき)を露(あら)わして松風に灑(そそ)ぐ
[頭のてっぺんを露出して松林を動かす風でさっぱりした]

 

■ 注目点
注目点は大きくは三つ。一つは、松林の中でのこととはいえ、丸裸ではないが裸になった。二つは、頭にかぶっていた頭巾を脱いだ。三つは、頭のてっぺんを露出した。
熱いからと言ってこんなこと、当時の教養人はしない。ということは作者の李白は教養人ではない。ということになりそうです。
李白は白羽扇を持っています。白羽扇。それはひと昔前の名誉、地位、財産を無視した世捨て人の持ち物。当時の世捨て人は白羽扇をあおぎながら、俗世間とは無縁な話に興じたのです。
ここの李白は世捨て人。世捨て人だから、三つのことが平気でできたのです。いかにも李白らしい詩です。

 

《PN・帰鳥》