山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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塞下の曲

2013.08.02

北海陰風動地来

明君祠上望龍堆

髑髏尽是長城卒

日暮沙場飛作灰

 

常建(じょうけん)。七〇八年生まれ。「塞下(さいか)の曲」。塞下は要塞付近。

 

■読みと解釈

北海陰風動地来

北海の陰風は地を動かして来たる

[北海の北風が地を揺り動かしてやって来る]

 

明君祠上望龍堆

明君の祠上(しじょう)より龍堆(りゅうたい)を望む

[王明君の墓辺りから龍堆の砂漠を眺める]

 

髑髏尽是長城卒

髑髏(どくろ)は尽(ことごと)く是(こ)れ長城の卒

[髑髏はすべて長城を守った兵士たち]

 

日暮沙場飛作灰

日暮には沙場(さじょう)より飛び灰と作る

[日暮れには燃えがらとなって砂漠から舞い上がる]

 

 

■注目点

要塞付近の描写に注目。要塞は防備用の軍事施設の設置箇所。

この詩の要塞は北海。中国北方。ここは外敵匈奴(きょうど)の地。中国と匈奴は昔から敵対し、戦いは絶えることがなかった。

北方の北海には北風が地響きをたて、吹き荒れている。ここに要塞がある。

二句目の王明君は漢代、和睦のために匈奴に嫁がされた女。その地にある彼女の墓から、遥かかなた西方の龍堆砂漠を眺める。

西方に見えるのは、延々たる万里の長城。そこには匈奴と戦い死んだ、無数の兵士の髑髏。日暮れになると、髑髏が灰となって砂漠から天空へ舞い上がる。

卒→髑髏→灰。これが要塞付近の実態。

 

《PN・帰鳥》