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塞を出る

2013.07.19

秦時明月漢時関

万里長征人未還

但使龍城飛将在

不教胡馬度陰山

 

七〇〇年ごろ生まれの王昌齢(おうしょうれい)の「塞(とりで)を出る」。

 

■読みと解釈

秦時明月漢時関

秦(しん)の時の明月 漢の時の関

[秦の時代の明月 漢の時代の関所]

 

万里長征人未還

万里長征して人は未(いま)だ還(かえ)らず

[遥か遠く征伐して兵士はもどって来ない]

 

但使龍城飛将在

但(た)だ龍城(りょうじょう)の飛将(ひしょう)をして在らしめば

[今もし匈奴(きょうど)に恐れられる飛将軍がいたら]

 

不教胡馬度陰山

胡馬(こば)をして陰山(いんざん)を度(わた)らしめざらん

[外敵の馬に陰山山脈を越え侵入させることはないだろうに]

 

 

■注目点

何が言いたいのか。ここに注目。

題からすると、話題は国境地帯。龍城は陰山山脈(内蒙古自治区)北方の、国境地帯にいた外敵の匈奴の根拠地。

この龍城には漢の時代、匈奴に恐れられ、「飛将軍」と呼ばれた李広(りこう)という将軍がいて、匈奴を寄せつけなかった。

ところが今の唐の時代は、昔の秦時代の明月も、漢時代の関所もあるが、匈奴を寄せつけない「飛将軍」がいない。

遥か遠い国境地帯へ、多くの兵士が匈奴征伐に行くが、もどって来ない。

「飛将軍」の再来。この詩で何が言いたいか。言いたいのはこれ。

 

《PN・帰鳥》