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団扇の歌

2016.04.08

団扇復団扇
持許自障面
憔悴無復理
羞与郎相見

 

題は「団扇(うちわ)の歌」。作者は王献之(おうけんし)の愛人桃葉(とうよう)。団扇を題材とし、王献之の詩に答えた作。

 

■読みと解釈
団扇復団扇
団扇よ復(ま)た団扇よ
[団扇よ 団扇よ]

 

持許自障面
許(これ)を持ちて自(みずか)ら面(かお)を障(ふさ)がん
[これで私の顔を隠そう]

 

憔悴無復理
憔悴(しょうすい)して復た理(おさ)むること無く
[やつれて化粧することもなく]

 

羞与郎相見
羞(は)ずらくは郎と相(あ)い見(あ)わんことを
[貴男にお会いするのが気恥ずかしい]

 

■注目点
愛人王献之に対する桃葉の思いに注目。
団扇に「団扇よ」と2回呼びかける。2回呼びかけるのは、3回、5回、10回呼びかけるのと同じ。何度も何度も呼びかける。それはなぜ。理由は1つ。自分の顔を隠すため。

女性が自分の顔を隠す。なぜ。理由は3つ。1つはやつれているから。2つは化粧していないから。3つは会うのが気恥ずかしいから。
愛人王献之に対する桃葉の思いは謙虚。愛されている王献之に会うには、身も心も表情も、気恥ずかしくてはならぬ。だが今は気恥ずかしい状態。気恥ずかしさを隠すために、団扇に呼びかける。桃葉には沢山の団扇が必要なのです。

 

《PN・帰鳥》