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呉興雑詩

2011.05.20

交流四水抱城斜
散作千渓遍万家
深処種菱浅種稲
不深不浅種荷花

 

一七六四年うまれの阮元(げんげん)の「呉興(ごこう)雑詩」。呉興は揚子江下流域の地名。雑詩は無題。

 

■読みと解釈
交流四水抱城斜
交(まじ)わり流るる四水は城を抱(いだ)きて斜めに
[交差しながら流れる四本の川は城壁を囲んで斜めに(走り)]

 

散作千渓遍万家
散じて千渓(せんけい)と作(な)り万家に遍(あまね)し
[(四本の川は)分散して千の谷川となり万の家にゆきわたる]

 

深処種菱浅種稲
深き処(ところ)には菱を種(う)え浅きには稲を種え
[(四本の川の)深い所には菱を植え浅い所には稲を植え]

 

不深不浅種荷花
深からず浅からざるには荷(はす)の花を種う
[深くも浅くもない所には蓮の花を植える]

 

 

■注目点
呉興はどんな所。その描写に注目。
呉興は城壁で囲まれた街。街の周囲を四本の川が、交差し斜めに流れている。
四本の川が主流となり、支流がある。支流は千もある。支流の千は谷川となり、万の家に水を送っている。
四、千、万。三つの漢数は、呉興が水郷地帯であることを巧みに描写します。
川には深い所、浅い所、深くも浅くもない所がある。深、浅を二回、種を三回使い、所に応じて植え物が違う。菱、稲、蓮。そこに住む人の暮らしを巧みに描写します。
呉興は水に恵まれた街です。

 

《PN・帰鳥》