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司馬道士の天台に遊ぶを送る

2018.06.08

羽客笙歌此地違

離筵数処白雲飛

蓬莱闕下長相憶

桐柏山頭去不帰

 

七一三年に亡くなった宋之問(そうしもん)の「司馬道士(しばどうし)の天台(てんだい)に遊ぶを送る」。司馬は姓。道士は修行者。天台は天台山。天台宗の聖地。遊ぶは帰る。

 

■読みと解釈

羽客笙歌此地違

羽客(うきゃく)は笙歌(しょうか)して此の地を違(さ)るに

[道士の司馬が笙の笛を吹き歌を歌いこの長安を去るに当たり]

 

離筵数処白雲飛

離筵(りえん)の数処に白雲飛ぶ

[別れの宴席のあちこちに白い雲が飛んでいる]

 

蓬莱闕下長相憶

蓬莱(ほうらい)の闕下(けっか)長く相い憶(おも)うも

[蓬莱宮殿では司馬道士をとこしえに記憶に留めているが]

 

桐柏山頭去不帰

桐柏(とうほう)の山頭(さんとう)去りて帰らず

[桐柏山の頂に去ったら長安へ戻って来ることはあるまい]

 

 

■注目点

用語の使用に注目。

この詩には道士に関する用語を多用する。天台、羽客、笙歌、白雲、蓬莱、桐柏。

天台は詩題参照。

羽客は体に羽が生え、空を飛ぶ道士のこと。

笙歌は笙の笛に合わせて歌う道士のこと。

白雲の意は多様だが、道士との関係深く、白雲居は仏寺のこと。

蓬莱は不死の薬がある三神山の一つ。

桐柏は山の名で、天台山の別名。

首都長安から天台山に帰る司馬道士を見送る。道士に関する語を多用し、別れを惜しむ。

 

《PN・帰鳥》