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劉侍郎を見送る

2018.09.21

幾人同去謝宣城

未及酬恩隔死生

唯有夜猿知客恨

嶧陽渓路第三声

 

七三二年生まれの李端(りたん)の「劉侍郎(りゅうじろう)を見送る」。劉は姓。侍郎は次官。

 

■読みと解釈

幾人同去謝宣城

幾人(いくにん)か同(とも)に謝宣城(しゃせんじょう)を去るも

[何人かが一緒に謝朓が太守だった宣城を離れるのだが]

 

未及酬恩隔死生

未(いま)だ恩に酬(むく)ゆるに及ばざるに死生を隔てり

[世話になった恩恵に応えることができぬのに死と生とに遠ざけてしまった]

 

唯有夜猿知客恨

唯(た)だ夜猿(やえん)のみ客恨(きゃくこん)を知る有り

[ただ夜に鳴く猿だけは旅人の恨みが分かっている]

 

嶧陽渓路第三声

嶧陽(えきよう)の渓路(けいろ)には第三声あり

[嶧山の南にある谷川沿いの道には猿の鳴き声が三回する]

 

 

■注目点

言いたい事に注目。

謝宣城は李端以前に宣城の役人だった謝朓(ちょう)。李端は見送る劉侍郎を謝朓に重ね、宣城で劉侍郎の世話になった何人かの連中と、劉侍郎を見送る。

劉侍郎に世話になった李端は恩返しができぬまま、別れねばならぬ。別れは生と死に引き裂く。痛恨の限り。

別れて劉侍郎の行く先は嶧陽。夜中に声を上げ、三回鳴く嶧陽の猿は、旅人劉侍郎の恨みが分かっている。

何が言いたいか分かり難い詩。牽強付会かも知れぬ。お赦しを。

 

《PN・帰鳥》