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冬夜に読書す

2012.01.27

雪擁山堂樹影深
檐鈴不動夜沈沈
閑収乱帙思疑義
一穂青灯万古心

 

一七四八年生まれの菅茶山(かんさざん)の「冬夜に読書す」。

 

■読みと解釈
雪擁山堂樹影深
雪は山堂を擁(よう)し樹影は深し
[雪は山小屋を覆い樹木の姿形は深く静かだ]

 

檐鈴不動夜沈沈
檐(のき)の鈴は動かず夜沈沈(ちんちん)
[軒先の鈴は微動だにせず夜はひっそり更けてゆく]

 

閑収乱帙思疑義
閑(しず)かに乱れた帙(ちつ)を収め疑義を思えば
[のんびりと散らかした本を整理し疑義を思い考えていると]

 

一穂青灯万古心
一穂(いっすい)の青灯(せいとう)万古(ばんこ)の心
[一本の稲穂のような青い明かりに大昔の人の心がある]

 

 

■注目点
冬の夜の読書にはどんな効果があるのか。ここに注目。
1句目と2句目は、冬の夜の状況。大雪。小屋も、樹木も覆い隠している。軒先の鈴。微動だにしない。夜はしんしんと更けてゆく。冬の夜は静寂。
寒さで身がひきしまる小屋。ここが読書の場。
3句目と4句目は、読書の状況。本を片づけ、疑義に挑戦する。読む本は万古の心。思想や歴史や文学など。一心不乱。一所懸命。疑義に挑戦します。
挑戦の姿を一穂の青灯で表現する。心を一本の稲穂のような青い明かりに凝らす。そこに疑義の解が見えた。精神の集中こそが読書の鍵なのです。

 

《PN・帰鳥》