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冬の歌

2017.12.08

淵水厚三尺

素雪覆千里

我心如松柏

君心復何似

 

作者不明の「冬の歌」。製作は唐以前。

 

■読みと解釈

淵水厚三尺

淵水(えんすい)は厚さ三尺

[淵の水は深さが三尺あり]

 

素雪覆千里

素雪(そせつ)は覆(おお)うこと千里

[白い雪は千里を覆っている]

 

我心如松柏

我が心は松柏(しょうはく)の如(ごと)きも

[私の心は松や柏のようだが]

 

君心復何似

君が心は復(ま)た何似(いかん)

[貴男の心はどうですか]

 

 

■注目点

「我」と「君」に注目。

前二句の情景描写は、我が心の情景、それとも君が心の情景。どちらの情景だろう。また我と君はどちらかが男を、どちらかが女を指すのでは。

「君が心は何似」と問いかけるのは女では。女が男に問いかける。筆者はそう読みたい。

とすると、君が心は男の心となり、我が心は女の心となる。

従って前二句の情景描写は、女の心の情景描写となる。女の心は深さ三尺の淵の水であり、女の心は千里を覆う白い雪である。三尺の深さの淵の水、千里を覆う白い雪。この情景は女の苦しい境遇。女は苦しい境遇にあっても、松や柏のように節操を守り通し、男を思い続ける。こんな我に対して君はどうですか。そう問いかける。

苦しい境遇にあっても、男を思い続ける女の情愛。主題はここか。

 

《PN・帰鳥》