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再び露筋祠に立ち寄る

2018.03.16

翠羽明璫尚儼然

湖雲祠樹碧於烟

行人繋纜月初堕

門外野風開白蓮

 

一六三四年生まれの王士禎(おうしてい)の「再び露筋祠(ろきかし)に立ち寄る」。露筋祠は江蘇省にある御霊屋(みたまや)。

 

■読みと解釈

翠羽明璫尚儼然

翠(すい)の羽も明るき璫(とう)も尚(な)お儼然(げんぜん)たり

[翡翠(ひすい)の羽の髪飾りも光り輝く耳珠(みみだま)も今なお儼かである]

 

湖雲祠樹碧於烟

湖の雲も祠(ほこら)の樹も烟(もや)より碧(みどり)なり

[湖面に漂う雲も祠廟の樹木ももや以上に青く濃い]

 

行人繋纜月初堕

行人が纜(ともづな)を繋(つな)げば月は初めて堕(お)ち

[旅する我はともづなを岸に繋ぐと月はようやく沈み]

 

門外野風開白蓮

門外の野風は白蓮(びゃくれん)を開く

[門の外を見やると野の風を受け白い蓮が開いている]

 

 

■注目点

露筋祠に立ち寄った王士禎の心境に注目。

王士禎は旅の途中、再度露筋祠に立ち寄る。

翡翠の羽で作った髪飾り、光り輝く清らかな耳珠。これを身につけているのは祠の主。男ではなく女。祠に祭られている神女。神女は前回と変わらず、厳然と存在している。

辺りを見ると、雲も樹も烟も濃い青。王士禎は舟を岸に繋ぎ泊めると、月が沈む明け方、野の風を受け白い蓮がパッと開いた。神女と白い蓮。青と白。神と蓮。清らかさ、気高さに浸る王士禎。

 

《PN・帰鳥》