山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

お問い合わせはこちら

偶題

2011.06.17

日落風欲静
鳥啼人自間
白雲如解事
成雨便帰山

 

一三九八年生まれの于謙(うけん)の「偶題(ぐうだい)」。偶題は即興の詩。

 

■読みと解釈
日落風欲静
日は落ち風は静まらんと欲す
[日は西に沈み風は収まろうとしている]

 

鳥啼人自間
鳥は啼(な)き人は自(おのずか)ら間(かん)なり
[鳥は啼き人は自然にのんびりする]

 

白雲如解事
白雲は事を解するが如(ごと)く
[白い雲は事情が理解できるようで]

 

成雨便帰山
雨と成って便(すなわ)ち山に帰る
[雨と成ってすぐに山へ帰っていった]

 

 

■注目点
即興の詩だが、何が言いたいのか。主題に注目。
題材としては日と風、鳥と人、白雲と事、雨と山。それぞれがどう関わるのでしょう。
日と風は昼間の動きを止め、夜間の静なる世界へ入っていきます。
鳥も人も昼間の動きを止め、夜間の静なる世界へ入っていきます。鳥は啼きながらねぐらへ。人も夜になって寝床へ。
白雲と事。事は日、風、鳥、人が昼間の動きを止め、夜間の静なる世界へ入る事情。白雲はその事情が理解できるよう、と言います。
事情が理解できる白雲は、雨と成ってさっぱりし、山へ帰ります。
この詩の主題は何か。白雲が山へ帰る。そこにあるのは仙人の世界です。仙人になりたい。主題はここにあるのでは。

 

《PN・帰鳥》