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估客の楽曲

2017.12.22

有客数寄書

無信心相憶

莫作瓶落井

一去無消息

 

作者不明の「估客(こきゃく)の楽曲」。估客は行商人。製作は唐以前。

 

■読みと解釈

有客数寄書

客有りて数々(しばしば)書を寄するも

[行商人がしょっちゅう手紙を送り届けてくれるが]

 

無信心相憶

信(しん)無くんば心に相(あ)い憶(おも)う

[手紙が届かないと相手のことばかり思っている]

 

莫作瓶落井

作(な)す莫(な)かれ 瓶(つるべ)の井に落ちなば

[してはならぬ 瓶が井戸に落ちてしまうと]

 

一去無消息

一たび去りて消息(しょうそく)無からんことを

[それっきり手紙は無くなるだろうことは]

 

 

■注目点

手紙のやり取りに注目。

手紙をやるのは行商人。取るのは女か。

行商人は商品を抱え、旅先で売り歩く男。身も金銭も自由で、遊び人の風がある。

その行商人がしょっちゅう手紙を送り届けてくる。受け取る女は妻ではあるまい。旅先でできた女だろう。

手紙の内容は判らぬが逢い引き? 浮気?

女が行商人からの手紙を首を長くして待っている。来ないと心配。

「瓶が井戸に落ちてしまうと、取り返しがつかなくなる」―そんなことをしてはなりませぬ。瓶が井戸に落ちぬよう、ずっとずっと、忘れず手紙を届けてください。女心の告白!

 

《PN・帰鳥》